バナナボート

私は夏が嫌いだ。
でも水着を買うのは好き。
毎年のトレンドが小さな布で作られたビキニに反映されているから、海には行きたくないのに買うのが好きだ。

海が嫌いとは言いつつも、ビキニを買ったらダイエット開始だ。
もっと絞らなきゃ!とダイエットしている自分が好きだったりもする。
ある年の夏、とあるアスリートたちと海水浴に行くことになった。
学生時代の男友達がいつのまにかスポーツ選手になっていて、ちょくちょく女の子を紹介しろと言われていたが、スルーしていた。
良いやつだけど、女の子を紹介するのが面倒だったのだ。
しかし筋肉好きの女友達から、スルーしていることに対して怒られた。
ということで、海に遊びに行く日を設定した。
バーベキュー付きの海の家があり、一日楽しもうという企画だ。
幹事の私は、相手は知っている男だし、そもそもアスリートの興味がなくて、すっぴんで参加するほどやる気が無かった。
買ったばかりのビキニを着れることだけがその日の楽しみだった。
みんなでバナナボートに乗ることになった。
二列になっていて、10人乗れる大型のタイプだ。
体重を均衡にするために、男女をバランス良く配置して、なぜか私は一番後ろ。
めちゃくちゃ恐かった。
10人乗りなので、転覆するときも派手にひっくり返る。
一番前の人から再びバナナボートに上がるが、男の子が水中で肩車してあげていったが、私は一番最後。
しかも向こうは私のことを昔から知っているので、お構いなし。
「おい、早く!」と言われて、一人でなんとか乗り上がった。
と、思ったらビキニが大きくずれていた。
でもみんな全然気がつかない。
そのまままた出発して、ビキニを直すために両手を離していた私だけ、また落っこちた。
先ほどの転覆で体力を使っていたので、上がる気力が無い。
バナナボートを引っ張っていたおやじさんが引っぱりあげてくれた。
もう二度と乗りたくないほど疲れた。

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