会話が弾む料理

もう何年も前のことだが、合コンに行った店で、ものすごい盛り方をする野菜レストランがあった。
「うちのワインセラーには?」なんてうんちくを垂れる相手が一人いて、要注意人物だと幹事から聞いていて、料理にもいちいちうんちくが入るけど、聞き流して!とアドバイスされていた。

しかし、うんちく大魔王も感嘆詞しか出てこなくなるほどのお店だった。
お店を予約したのは、うんちく大魔王の後輩だった。
なにやら取引先のお店らしい。
ランチに来たことがあったが、野菜ばかりのランチで女子受けばっちりだった。
夜のメニューは初めてだったので、出会いよりも楽しみにしていた。
肝心のメニューだが、前菜からツッコミどころ満載。
前菜の盛り合わせだが、オセロの盤のような模様の大きなお皿にちょこちょこと載せられていて、これが最先端の料理オシャレなの?という雰囲気になった。
その次に来たのがバーニャカウダ。
なんと、剣山が器の底にあり、生けられていたのだ。
野菜スティックというか、もはやそのまま刺されているセロリ。
親指の太さほどある大根や人参など、「攻めてるな?」という盛りつけに、登場した途端爆笑した。
なんだか堅い雰囲気の合コンが一気に柔らかくなった。
警戒していたうんちく大魔王も、食材のうんちくよりも楽しんでいて、なんだか可愛らしかった。
その後に来た野菜メインの鍋だが、食材よりも薬味の種類の方が多かったり、ガスコンロが異常に強かったり、一品ずつにツッコミどころがあった。
メイン料理を食べたころには、リアクション疲れしていて、うっすら汗ばんでいるほど。
相手の人間性などはお互い全然分からなかったが、奇抜な料理は人を楽しませるということをしっかり理解できた合コンだったので、料理だけかなり印象に残っている。

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