無料を勝ち取る

10代の頃の合コンといえばカラオケである。
今よりもずいぶん安い料金で入ることができて、合コンでなくても良く行っていた。
平日の日中、フリータイムで800円などざらであった。

しかしこれが夕方以降になると、とたんに高くなる。
必ず飲み放題付きになり、ソフトドリンクだと1980円で、アルコールだと2980円。
これにプラスして、ピザやチキンを頼むので、一人の負担は4000円ほどになる。
だいたいは男性側の方が多く払う傾向にあるので、向こうの負担が多くなってしまうことになる。
そんなときに、近所で出来た新しいカラオケ店で合コンをすることになった。
最新機種が導入されていて、歌うこと以外でも占い機能などが充実していた。
そんな最新機種なので、採点機能がすごかった。
オープン記念ということで、95点以上なら部屋代が無料になるというキャンペーンが行われていた。
以下、90点なら半額、85点なら30%引きなどといったように、点数に応じての割引が用意されていた。
部屋代には飲み放題が含まれているので、もし95点をたたき出せば料理代だけ払えばいいのだから、みんな真剣に歌い始めた。
もはや、会話や間の手、食べ飲みよりも、歌の実力重視。
それぞれが、一番上手くうたえる歌をカタログで探している状態がずっと続いていた。
採点システムがかなり厳しくて、1時間経ったところで、次回のからあげ無料券しか獲得できていなかった。
そんなときに私の番が回ってきた。
ビブラートや高いキー等がなく、ありきたりだがうたいやすいバラードが高得点のポイントということで、曲をチョイス。
自分の十八番だったし自信があった。
すると、あれよあれよと言う間に90点。
2番の後半、盛り上がりのところでなんと100点になった。
一時的に高得点になったらあとは下がり始めるのだが、なんと曲終わりでの点数が97点!体育祭の結果発表かのように、みんなでハイタッチしたり抱き合ったりして喜んだ。
その後は、上手く歌う必要がなくなったので、ダラダラと話したり、メドレーをみんなで歌っていた。
みんなで目標を持って時間を共有すると、こんなにも絆が深まるんだと分かった。
そのメンバー内ではカップルはできなかったが、その後もずっと遊ぶ友達になった。

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