ワキガ騒動

うちの職場にワキガの男がいる。
たびたび、「誰か指摘してよ!」というなすり付け合いが始まる。
結局私の提案で、社長から一斉送信によって「体臭に気をつけるように」とのメールを送ることになった。


ターゲットはその男一人だが、まるで全員に注意を促すように。
それでも全然本人は直さない。
だって自分だと気がついていないからだ。

また臭いに悩まされる日が続いていた。
そんなとき、友達が最近ナンパされた男の話をしていて、色々と話している内に、共通の知り合いとして私の名前が浮上してきたという。
そう、あのワキガ男はプライベートではナンパ男だったのだ。

いかにも軽そうな風貌。
顔も悪くない。
しかし、残り香で台無しになり、彼女がずっとできないタイプだ。
それは自分が女をもてあそぶから本命はいない、と思っているようだが違う。
臭いから。

友達は良い香りにも鈍感な、極度の鼻炎。
2回食事に行くまで気がつかなかったらしい。
食事のあとの帰り道、風が冷たくて寒いと言ったら上着をかけてくれた。
はたからみると、男が女に上着を貸すシーンは良いシーンだ。
しかし、上着をハラリとかけられる瞬間に、あの臭いに気がついた。
しかし、気のせいかな?と思いながらも、駅まで歩いた。

別れ際に上着を帰してバイバイする。
地下鉄に続くエスカレーターに乗った瞬間、自分から臭いワキガが漂っていることに気がついた。
肩からかけてくれていた上着だが、ちょうどワキ部分が肩についていた。
自分の肩が臭い。
しかも今から混み合った地下鉄に乗り込む。

最悪だ。
というタイミングで、共通の知り合いだと判明した私にメールを送ってきたのだ。
どうすることもできないが、お気に入りのそのニットは臭いが取れなくて捨てることになったと後日聞いた。
悪い男じゃないんだけど、早くずばっと指摘しなくてはいけないと心に誓った。

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